そらの小石

我と共に老いよ/Pebble in the Sky

何かを掘っている

すだれとサンシェードを上げてベランダに出る。例年であればそれらを仕舞うまでに台風が来て、何度か止む無く撤去することになるが、今年はその面倒な作業がまだ1度もない。

洗濯物を干しながら、ご近所さんの家屋解体後の様子を眺める。お盆前に更地になって、その後は静かだった。先週末になって土地の周りに幕が張られた。昨日、その中の一角に更に幕に囲まれた箇所ができて、そこに「温泉を掘削するような機械」が設置された。

あれはなんだ?

「温泉を掘削するような機械」よりは一回り小さい気もする。「井戸を掘削するような機械」だ。ここに井戸?田舎県とは言え、県庁から徒歩圏内の街中の住宅地である。

はるちゃんの生家や、昔住んでいた港町の家には井戸があった。いいなあ・・もう一度ポンプをキコキコしてみたいなあ、ロマンだよなあ・・などと思う反面、井戸ってちょっと怖い。

水の源であり神聖な場所であるとともに危険な存在でもあったんだろう、言い伝え的な話が結構出てくる。井戸の底に竜が居るとか、古井戸に落ちたロバの話、井戸の風水、井戸の息抜き、お祓い、禁忌などなど。

井戸を掘ってるなら・・と興味津々な目をして洗濯干しをする。